インターネットを使う際、今とは違い、昔はLANケーブルをパソコンに繋ぐのが当たり前でした。
もちろん、今もLANケーブルをパソコンにつないでインターネットを利用することは多々あります。
しかし、パソコンにLANケーブルを繋ぐということには、問題点もあります。
ここでは、無線とLANケーブルによるインターネットへの接続を比較して、無線通信のメリットについてお話します。
ケーブルは邪魔
ノートパソコンを使う場合、LANケーブルを繋いでインターネットを利用しようとすると、ノートパソコンの「持ち運びできる」という利点が薄まってしまいます。
例えば家庭内でLANケーブルを使う場合、自室でパソコン作業をしていて、気分転換にリビングに移動しようとします。
すると、その移動範囲がLANケーブルの届く範囲に限られてしまいますよね。
また、配線をしっかりと行えていない場合は、ケーブルを足に引っ掛けてインターネットとの接続が切れてしまう、というような危険性もあります。
スマホやタブレットが無線で便利なように、パソコンも無線が便利
最近はノートパソコンだけではなく、スマホやタブレットのようなモバイル端末も、インターネットを利用するには便利です。
そういった機器は場所に制限されることなく、色々な場所で使うことができるというのが利点です。
パソコンも同じように無線で好きな場所で利用できる方が便利なのは間違いないでしょう。
また、昨今のパソコン事情は一家に一台ではなく、一人一台という家庭も増えてきています。
そういった状況の中、LANケーブルによってインターネットへ接続しようとすると、複数の端末に繋がれたケーブルが絡まってしまうなどの心配から、ケーブルの配線にも気を付けなくてはいけなくなります。
そんなLANケーブルが抱える欠点を、みごとに解消してくれるのが無線通信です。
無線通信は配線いらずでどこでもネット
スマートフォンなどの端末は家庭内にいる時だけでなく、外出先でもインターネットに接続することができます。
これはケーブルによるインターネット接続ではなく、無線によるインターネット接続が可能だからです。
無線通信を主としているモバイル端末は、ケーブルのことを気にする必要はありません。
それと同様に、ノートパソコンもケーブルではなく、無線で接続することができれば、上でお話したようなケーブルによるストレスを無くすことができるのです。
実は無線通信の速度はけっこう速い
無線通信というのは、以前からいくつかの弱点を抱えていました。
その一つ目が、無線はケーブルと比べて通信速度が遅いということです。
一般的には、光回線のような固定の通信回線ですと、100Mbps程の通信速度が期待できます。
これに対して、無線通信の通信速度は比較的には遅いと言えます。
しかし、無線通信の通信速度は、一昔前であれば11Mbps程度でしたが、現在はベストエフォートで50Mbps~100Mbps以上の通信速度を出すことが可能、という通信サービスも見かけるようになりました。
これはあくまでベストエフォートなので、絶対にこの通信速度は出るとは限りませんが、それでもケーブルによるインターネット接続に、かなり近い通信速度の実現が可能になってきているのです。
また、インターネットを利用する場合、データ量の大きいファイルをダウンロードをする場合を除いては、実際の通信速度は10Mbps程度あれば、ほとんどストレスを感じることはないでしょう。
無線通信のセキュリティは高まっている
また無線通信の弱点としてセキュリティに関する点が挙げられます。
無線通信というのは、その性質上、他者から通信を盗聴されてしまう可能性があります。
これは無線通信の最大の課題と言えます。
しかし、このセキュリティ面において、現在は「WPA2方式」が確立されたことによって、無線通信の安全性は以前にも増して、向上しています。
無線通信の弱点であった、通信速度やセキュリティ面などの課題は、新たな通信規格やセキュリティ技術の向上により改善され、無線通信はとても利便性の高いものになりました。
特にヘビーユーザーと呼ばれるような人たちや、モバイル端末でのインターネット利用が主となっている人には、その利便性から、無線通信は大いにお勧めすることができます。
公衆無線LANにはご用心
無線通信は、家庭内または外出先のどちらにおいても、とても利便性は高いと言えます。
しかし、注意しなければならないこともあります。
それは公衆無線LANのセキュリティについてです。
先ほどは無線通信の安全性は向上しているとお話ししましたが、それはあくまで、ポケットWi-Fiなどのように、個人または身内での利用を目的とした場合です。
そういった場合は、無線通信に接続するためのアクセスキーを個人で管理できますが、それとは違い、公衆無線LANの場合は、不特定多数の人が同じ場所にアクセスするため、知らない人に通信を盗聴される危険性が高まります。
もちろん、公衆無線LANにも最低限のセキュリティは保証されていますが、万が一のことを想定すると、盗聴の危険性はあるという事です。
では、公衆無線LANを利用する際に、どういうことに気を付けたら良いのでしょうか?
具体的には、公衆無線LAN上では、クレジットカードの暗証番号や個人情報、仕事上の重要なデータなどのやり取りを控える、ということです。
知らない人に見られてはいけない大切な情報やデータは、きちんと暗号キーが設定されたポケットWi-Fiなどの、個人用の無線通信でやり取りするようにすべきです。
これはインターネットを利用する際のリテラシーとして、しっかりと認識し、大切な情報は公衆無線LAN上には、流さないようにしましょう。
また、あくまで危険性があるという程度で、公衆無線LANに繋ぐと必ず盗聴されるというわけではないので、その点においては安心してください。
まとめ 無線通信は意外と速くて場所問わず
無線通信は新たな通信規格やセキュリティ技術の登場で、より利便性の高いものへと進化しています。
通信速度も向上しており、光回線などの固定の通信回線と比べても引けを取らなくなってきています。
無線通信であれば煩わしい通信ケーブルに悩まされることなく、自由な環境でインターネットを利用することが可能でしょう。
家庭内でも外出先でも、場所を選ばず自由にインターネットに接続したいという人は、無線通信の利用を一度、考えてみてもよいかもしれませんね。